15.最終回シンチャオ!ベトナム・奇跡の再会

2023.4.1

日中、ハロン湾のツアーで疲れた妻と子をホテルに置き、私はナイトマーケットをもう少し散策する事にした。衣服なども売っていて、ちょうどユニクロの靴下が洗濯しても乾いていなかったのでこれを購入した。80k VND(約450円)で5足セットだった。ユニクロなのに安いなと思っていたが、よく見ると「ユニワン」だった・・・。

その後、お店に入ってハノイ名物のブンチャーというつけ麺を食べてみる事にした。注文して出てきたブンチャーは甘ったるいだけのものだった。ハノイビールで無理矢理流し込んだ。観光客向けの適当なお店に入ったのが良くなかった。ファミレスでラーメンを頼むようなものだ。私は翌日、専門店へのリベンジを誓った。

翌朝、目星をつけていたブンチャー専門店のBún chả Hương Liênというお店に向かった。ここはあのオバマ米大統領が訪れた事で有名なお店だった。店の壁にはオバマの写真が飾られている。こちらのブンチャーも甘いが、肉の香ばしさや旨味があった。子供にも好評だった。やはり最初から専門店に来るべきだったのだ。

私たちは、夜には東京へのフライトがあるのでバックパックを背負ってホテルを出て、ハノイを散策する事にした。

ハノイにある世界遺産タンロン遺跡では1000-1800年にここにあった王朝の門が残っていて撮影する事が出来た。入場料は30k VND(約170円)だった。

ドンスアン市場というハノイ最大の市場に行った。子供が自分のお土産用におもちゃのスナイパーライフル(50k VND (約280円))を欲しがったが、金属製だったのでやめておけと言うが、小さいし大丈夫じゃない?という事で、空港で捕まったら自分で責任取れよと言った。10cmくらいの小さい物だったので大丈夫そうな感じはしていた。

(後日談だが、実際空港に乗る際のスキャンで引っかかり、子供の「マイトイ」は通らず没収された。子供は悔しがっていたが、むしろ没収だけで済んだので私は安堵した。)

ハノイにはトレインストリートなるものがあり、電車が通るすぐ脇でお店が営業している所で話題になっている場所だという。

踏切から入ろうとすると、警察に注意される。調べると入り口があるとの事だったので、そこから入ろうとしたが、ここにも門番がいて入れさせてくれなかった。どうやら、最近SNSの反響で人が大勢来て事故があってから厳戒態勢が敷かれているらしい。

しかし、線路沿いのお店に入っている人もいた。私もその人に続いて入ろうとしたところ、

「No!!!」

お店のおばさんに強く言われた。厳しく睨みつけながら。

何の説明も無しにそこまでする?と思いながら他のお店を探した。

すると、1人50kで入れてくれるという人が出てきた。ここまで来たので多少支払ってでも入った方が楽しそうと思い、私はこれに従って支払いをした。

仲介人のおじさんに着いて行けというので、おじさんに着いて行く。

すると、さきほどのおばさんのところに行った。裏口のボスみたいなおばさんだったのだ。

やり取りをして、おばさんに嫌な顔をして文句を言われながらも、おじさんに入れてもらう事が出来た。

私の裏金手数料から手数料を支払っているのだろうか。

電車が来るまで待つつもりではなかったが、欧米の方があと20分くらいと教えてくれたので、電車を手が届くところで迎える事が出来た。横切るのに2分くらいかかった。

このセレモニーが終わって線路内に出ると、すぐ警察に早く出ろと言われて出た。線路を歩いて写真をゆっくり撮ったりする事すらもう出来なくなっていた。

その後、シクロに乗ったり、ホアンキエム湖周辺でチェーを食べたりビールを飲んだりして楽しんでいた。

すると、見おぼえのある人物がこちらに歩いてきた。

昨日、私の手元から100kを奪ったぼったくりドーナツ女だった。

私が指を差しても気づかない。

しかし、子連れが珍しかったのか、子供を見ると、あー!!となった。

ドーナツ女は懲りずに丸ドーナツを私に差し出してきた。

これを取ったらまたぼったくってくるのか?

それでも構わない。

私はドーナツを奪って乱暴にほうばり背中を向けた。

妻が笑っている。

子供も笑っている。

ドーナツ女も笑っていた。

PS

お読みいただきありがとうございました。唯一覚えたベトナム語がシンチャオです。「こんにちは」にあたる挨拶だと思っていたのですが、タクシーやお店でお別れの際に言われる事もあり、「さようなら」の時にも使える万能な言葉だったようです。というわけで、シンチャオ!