03.ベトナム戦争のクチトンネル

2023.3.26

夜食にブンボーフエを取ったのでホテルに戻って寝る事にした。今日は空港で両替もしたし、色々使ったので財布の中身を今一度確認してみる事にした。ベトナムの紙幣はどれもホーチミンさんが印刷されているので並べるとホーチミンさんだらけになる。そして一万円が1,790,000VNDだったので桁が多い。ベトナムでは千単位でkと略して記載される事や、千単位を省略されて呼ばれる事が多い。毎回間違えそうになるのだ。ちゃんと確認しておかないと・・・。

あれ?

おかしい!!

何回計算しても495,000VND(約2,800円)足りない。初日から何かやってしまったようだ。両替した時はちゃんと確認したつもりだった。支払いの際も気を付けていたつもりだった。

どこかで5,000VNDではなく、500,000VND支払っていたとしたらつじつまが合う金額だ。やってしまった!

また勉強か・・・。これからもっと気を付けようと心に決めた。これっきりのはずだった・・・。

2日目の朝を迎えた。今日は朝からトリップアドバイザーというサービスを使ってツアーを予約していた。迎えの時間までに市場方面へ足を運び朝食を確保する事にした。ホテルから少し歩いた場所に現地向けの市場があった。バインミーを現地価格15k VND(約80円)で購入した。

バインミーはベトナム国民食のサンドイッチで、パリパリのフランスパンに香草や肉が入っていてベトナムを丸ごと感じられるような味で、パクチー大好きな私にとっては本当に美味しかったし、ボリューム満点で安くて大満足だった。安くて美味い物に巡り合えた時こそ感動を覚える。

ただ、子供にはパクチーや香草が辛そうで、食べられる箇所だけ食べるしかなかった。

ベトナム料理はスパイシーな料理や香草が使われていたりして、日本の子供には馴染み辛い味なのかと改めて感じた。自分の食べたい物だけでなく、子供も食べられる範囲でお店選びをしていく必要がやはりありそうだと感じる。

ツアーの時間となり、ツアーバスに乗り込んだ。英語の勉強も兼ねて、英語のツアーで申し込んでいた。現地で予約する方が安かったが、とにかく今回の旅は時間を節約して1回のベトナム旅行で行きたい場所を巡る事を重視していた。

最初は英語のガイドの話をなんとなく理解出来ていたが、ベトナムなまりの英語で、歴史の話となり固有名詞が入ったりしてきたあたりから徐々に理解出来なくなっていた。最初の目的地であるクチに到着する頃にはリスニング疲れになってしまい、トンネルの話もほとんど理解出来ずにいた。トンネルの中が三階層になっている事について何か説明していたが、詳しい話は全然ついていけなかった。

クチはベトナム戦争の際にトンネルを掘ってアメリカ軍に対してゲリラ戦を行っていた場所で、このトンネルを中心に見学出来る場所だ。トンネルに潜ってみたが、閉所恐怖症ではない自分でも、挟まって戻れなくなるような怖い気持ちになる。中腰でトンネル内を数重メートル進んでみたが、腿に乳酸がたまっていくのがわかり、筋肉痛になるのは確実だ。しかも湿度もあってめちゃくちゃ暑い。同じツアーメンバーの欧米の体が大きい方達はトンネルの途中で離脱していた。体験トンネルの最後まで行けたのは現地ガイドさんと子供たちだけだった。

また、トンネル内にはいくつもの種類の罠が仕掛けられていたようで、アメリカ軍がこのトンネルに入るのは恐怖でしかなかったはずで、攻略出来なかった事に納得し、当時の戦争の凄まじさというのが良く理解出来た。

トンネルは本当にアリの巣のようなものを作ってここで生活していたようで、その全長は200kmにも及ぶという。

色々見学していた際に、遠くから銃声のようなものがしていた。奥に行くに連れてその音は大きくなり、本当に銃声だった事が確認する頃には、音が大きすぎて大人でも怖がるレベルだった。

私は海外旅行で銃を撃つ機会はこれまであったが、実際に撃った事は無かった。しかし、10発だけなら600k VND(約3,400円)という手が届く値段だったので、今回体験してみる事にした。AK47というフォートナイトなどでもお馴染みのアサルトライフルだった。反動と銃声の大きさが想像以上で、もし弾が跳ね返って当たったら死ぬんだと、瞬時に覚悟した。

子供も自分もゲームの中で銃を撃ったりしていたが、本物がどれだけ恐ろしい物で、人に向けてはいけない物なのかが感覚で理解出来た。

間違ってないだろ

間違ってないよな

だから僕はアサルトをぶっぱなした。

つづく